旅小亭

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ファイアーウーマン纏組(PS版)について ➀概要

本作は1996年12月20日PC-FX用ゲームソフトとして発売されました。後にプレイステーション向け移植ソフトが1998年3月26日に発売。今回は後発のPS版についてご紹介します。

 白鷺学園という私立高校に転入してきた主人公が学園内のトラブルを解決する自警団「纏組」に加入し、喧嘩によって学園内のトラブルを解決すると共に学問・スポーツ・部活、そして恋愛といった学園生活を過ごすというRPG恋愛シミュレーション対戦格闘ゲームを融合させたようなゲーム。

主人公は転校初日に纏組へ強制的に加入させられるが、月初に行われる纏会という手合わせの場(この纏会もプレイヤーの選択次第で参加しないことも可能)を除けば特定の活動ということは殆ど行わない。だが学園内で学生同士の喧嘩や不良がトラブルを起こした等の問題が発生したときには、喧嘩でそのトラブルを解決するという活動を行っている。トラブル発生時以外には、プレイヤーは喧嘩に備え日々部活動で体を鍛えたり技を習得したりして自身の能力を高め喧嘩に勝つことを目指したり、球技系の部活で体力づくりをすると共に技術を磨いたり、文科系部活に参加して経験を積んだりとかなり自由に学園生活を楽しむことが出来る(このゲームでは特定の部活に所属することは無く、毎日自由に部活動を選択し参加することが可能)。さらに学園で知り合った女の子との仲を深め、最終的には告白されることを目指していくというのがこのゲームの一応の目標となる。

 

恋愛シミュレーションゲームの要素が強い本作だが、ゲーム内のプロローグで語られるように必ずしも女の子から告白されることが目的ではない。スポーツに打ち込んで身体を鍛え大会で活躍するもよし、学園内のトラブル解決の為に部活動で己を磨き強力な技を習得するもよし、勉学に励んでテストで高得点を取るのもよし、芸術活動に打ち込んで展覧会で高評価を得る絵画を描くもよし、女の子達と楽しくお菓子作りをし、作ったお菓子を好きな女の子へプレゼントするもよし。とにかく学園内での過ごし方が豊富で自由度が非常に高い点がこのゲーム最大の特徴。もちろん女の子と楽しく過ごすために毎日好きな女の子に話しかけることも、一緒に帰ろうと誘うことも、同じ部活動をすることで仲を深めるといったことも、困っている時にはトラブルを解決してあげることで更に仲良くなることも出来る。

フルボイスではなく要所でボイスが挿入されるのみ、休日のデートイベントが非常に淡泊、画面解像度が粗い点が多々見受けられるなど欠点も多いが、前述の自由度の高さに加えて部活経験値や技習得を極めていくといったやりこみ要素、ヒロインや主要人物たちのみでなくモブキャラの会話の変化・イベントも多数用意された作り込みの深さ等濃密な要素を1つのゲームとしてまとめ上げた傑作。出演声優陣も非常に豪華、90年代アニメ・ゲームの花形として活躍した林原めぐみ三石琴乃宮村優子等を筆頭に人気声優が中堅・若手入り乱れて出演。この再結集不可とまで言える豪華さは、恋愛シミュレーションゲーム屈指の傑作であるみつめてナイトを彷彿とさせる。

余談だが、この自由度の高さ、恋愛シミュレーションゲームの要素、コマンド式戦闘など何をするにも自由な学園生活シミュレーションという点において後発のPSゲームではガンパレード・マーチと共通する点が非常に多い。筆者はガンパレード・マーチをプレイ後にこのゲームを手に取ったが、共通点の多さにワクワクしながらプレイした。

 

今回このゲームについて記事を書こうと思い至ったのは、書籍はもちろんインターネット上にも纏組に関する記事・ページが極端に少なく、攻略に関する情報なども体系的なものが無かったので、自分のプレイしてきた情報を少しでも提供することでこの隠れた傑作をプレイした人たちの助力となることが出来ればと考えたため。多くのイベントを全て網羅することは不可能に近いうえに、可能なら事前の情報なしに、突発的に起こるイベントを楽しんでもらいたいと思っているので記事を書くと言っても不完全な要素が多々あるとは思いますが、上述の通り攻略の手助け程度に考えてもらえれば幸いです。

 

次回は初回プレイ時の感想を記事にしていきますので、攻略情報は3回目の記事以降に書いていきたいと思います。